
フロビシャー
うどんを頼んでるのにピザが出てくるんですが…

ラボ主
なに言ってるんですか?
今回は、タイトルにもある通り非常にデリケートな内容となっております。
が、しかし!
これがアトピーを根本から変えるための最も重要な視点という意味で、どうしても避けては通れない内容なのです。
耳障りのいい綺麗事だけでアトピーがよくなればいいのですが、どうしてもそうはいかないと言いますか、時には耳が痛い内容も受け入れていただく必要があるので、やむにやまれず…
反対に、そんな書きづらいことを書こうとしているということは、本気でアトピーの方に必要な内容をお届けしようとしているんだな、と思っていただけるように、臆しながら書いていこうと思います。
目的論と聴くとピンと来ない方もいるかもしれませんが、いわゆる”病は気から”的な話です。

フロビシャー
ぜひ、怒らずに最後まで読んでいただければと思います!(切実)
ちなみに、今回の話は成人型アトピーの方に向けた話となりますのでそれを踏まえてお読みいただければと思います!(小児アトピーについても適応できる部分はありますが、補足がたくさん必要なので別で書きます。)

目的論とは
今回の内容で扱う目的論とは、「嫌われる勇気」などの本で有名な心理学者のアドラー先生が提唱した、
「人の行動や感情は、過去の原因ではなく、未来の目的によって決まる」という考え方です。
一般的な心理学は、過去のトラウマや出来事が現在の行動や性格を形成すると考えます。
多くの方がもつ心理学のイメージもこちらに近いと思いますが、このイメージを持つきっかけとなった考えを初めて世に提唱したのは、アドラーの師匠であるフロイトです。無意識を発見したことでも有名な先生ですね。

フロイト
この人、トラウマが原因で行動できないんじゃね?
例えば、「幼い頃にいじめられた(原因)から、人と関わるのが怖い(結果)」という感じです。
これを原因論といいます。
しかし、弟子であるアドラーは、この考え方を根本から覆しました。

アドラー
いや、逆じゃね?
「人と関わるのが怖い(目的)から、過去のいじめをその理由(手段)として持ち出している」と考えたのです。
しかも凄いのが、その手段というのは、行動や感情だけじゃなくて、病気や体調不良などの身体症状までも含んでいると提唱したことです。

アドラー
全部、何かしら目的を叶えようとしてね?
…え!そうなの!?

病気にすらメリットがある。これがアドラー先生の偉大な発見です。
病気になりたい心理
病気や体調不良などの身体症状までもが、ある目的を達成するための”手段”として捉えられる…
つまり、
無意識が、病気という現象を通じて何らかの目的を叶えようとしている=メリットを得ようとしているということです。
具体的な得られるメリットは何なのかって話ですが、実はシンプルで、主に以下の2つに集約されるとアドラー先生は説きました。
1.責任回避の口実
病気になることで、「〜できない」という口実ができて、困難な課題や責任から逃れることができます。
例えば、仕事で新しいプロジェクトのリーダーに抜擢されたプレッシャーを感じている時に、体調不良で会社に行けなくなるのは、仕事の責任から一時的に解放されるための口実になりえます。
2.周囲からの注目や援助の獲得
病気になることで、周囲の関心や同情を引くことができます。これにより、普段は得られない特別な配慮な援助を引き出すことが可能になります。
例えば、家族や恋人の関心を得られていないと感じている人が、体調不良を起こして看病してもらうことで、愛情を感じたいという欲求を叶えようとすることがあります。
特に、自己重要感が満たされてないと感じている人は、病気という手段を通じて、自分は愛され、大切にされるべき存在であると再確認しようとします。
つまり、病気になる目的(メリット)とは、

アドラー
言い訳か承認欲求かの2択じゃね?
そういうことです。(怒らないで下さい)
※ここで補足しておきたいのですが、全ての病気を100%目的論で説明できると主張したいのではありません。
僕は医者ではありませんし、自分の経験と周りのアトピー持ちの友人の観察を元に実感していることを考察し、あくまでアトピーの方へ向けて発信しています。
幼くして重病になる方や難病の方、感染症など全てを対象に含めた上での主張ではないことをご理解下さい。
それらの解決に向けて日々努力されている医療従事者への尊敬を込めて、ここはしっかりと明記しておきます。
目的には強弱がある
さてさて、しかしですよ。
人は常に何らかの目的を叶える(メリットを得る)ためにあらゆる選択をしているということは、
身体には自分の目的を叶えるように現象化させようとする機能があるということになります。
改めて考えると、目的って何なんでしょうか。
先ほど書いたように、アドラーの目的論では、人の行動、感情、身体症状には全て目的があるということは、定義上、「無目的=メリットのないこと」というのは存在しません。
例えば、休日なんかに「今日は無目的に散歩しよう」という場合は、「目的地を定めない」ことを無目的と表現しているのであって、
散歩するという行動の目的には、歩いてスッキリした気分を味わいたい=リラックスしたいという目的(メリット)があります。
同様に、「ぼーーっと過ごす」のは無目的に思えるかもしれませんが、日々の頭や身体の疲れをとりたいという目的(メリット)があります。
最近の研究では、ぼーっとしている時に活性化する脳の部位があることが分かっているらしいので、他にも目的があるかもしれません。
つまり、私たちは「意識的、無意識的に関わらず、常に目的をもって行動している(メリットを享受している)」のです。
イメージ的には、「目的を持つ」と言うと「強く意識すること」と結び付きやすいですが、実はそうではないのです。
どのくらいそうでないかと言うと、それは顕在意識と潜在意識の割合から推論することができます。
それを表す例として、よく氷山の例があげられます。

…。
ほとんどがイッツオートマティックです。
私たちの行動の9割が、その目的(メリット)を意識しないで行われている行動だということです。
そして、身体が適応させて叶えようとする目的(メリット)というのは、割合的に見て圧倒的に大きい”潜在意識の目的(メリット)”である可能性が高いです。このことから、シンプルに
・顕在意識の目的 → 弱い目的
・潜在意識の目的 → 強い目的
と理解できます。
ここで先ほどの目的論をもう少し正確に言い表すと、
「人の行動や感情、身体症状は、無意識に持っている欲求=強い目的によって決まる」ということです!
(さらっと言いましたが、このヤバさ伝わりますかね…?)
これを踏まえて、先ほどの例に戻りましょう。
仕事で昇進してプレッシャーを感じる。イヤだな〜と思う。ここまでは共通です。違いが出るのは、それを受けての反応です。
・体調を崩す→本音は昇進したくないかもしれない
・体調を崩さない→本音で昇進したいと思っているかもしれない
昇進を言い渡されたその瞬間だけを切り取って言っているのではありません。昇進してから何ヶ月間も、なんとなく体調が優れない、みたいな状況をイメージして下さい。
意識では「昇進して給料が上がって嬉しい」と思っていたとしても、実は本音では大してそれを望んでいなかったかもしれません。
給料が嬉しいのは確かだけど、昇進して責任が増えるプレッシャー、後輩の面倒をみなきゃいけない面倒くささ、などの要素を加味したときに、実は
昇給の喜び < 責任や人間関係の面倒くささ
であって、「本当はそんなに昇進を望んでいなかった」のが本音かもしれないのです。
なんとなく分かってきましたかね?
もう一つの、家族や恋人に看病してもらいたくて体調不良になる人の場合は断然シンプルです。
本音は「甘えたい」「愛情を感じたい」「受け入れて欲しい」「コミュニケーションをとりたい」みたいなことが多いと思います。

ってずっと思っているのに、
それを恥ずかしくて素直に伝えられないとか、プライドが邪魔して言えないとか、そんな場合に体調不良を起こして、無意識の目的が叶う(メリットを得る)状況を作り出しているのです。
前半まとめ
小難しい話になりましたが、大切なのは自分が無意識にしている選択の裏には、必ずメリットがあり、病気ですら例外ではないということです。
耳が痛い話かもしれませんが、ここがアトピーを根本的に変えるための最初の重要な気づきです。
例えるなら、顕在意識(弱い目的)ではうどんが欲しいと思っているのに、潜在意識(強い目的)ではピザが食べたいと思っているので、
うどんをオーダーしているつもりでも、なぜかピザばかりが出てくるという謎な状況に陥っているのです。 (※は!?)
それを解決するには、ちゃんと顕在意識と潜在意識を一致させて、
「うどんが欲しければうどん屋に行って、うどんを注文する」
という当たり前のことが出来れば、病気という手段を使わずに済むのです。
文字にするとバカみたいな話ですが、目的論を学ぶと、人のあらゆる悩みが、これと同じような滑稽な話であることが分かってきます。
じゃあ、どうすれば「うどんが食べたいと自覚」して、「うどんをオーダーする」ことができるのか。
後半記事では、そこを深掘って解説していこうと思います!
続く!
知的でクールで奥行きがあって情熱的なのに、愛嬌もあって親しみやすい人間愛にあふれた地球の宝です。
