前回解説したように、人は何か得たいという、潜在意識の目的(強い目的)がある時に、無意識に(病気を使ってでも)それを得ようとすることがあります。

そう考えると、人の悩みの本質は、「自分の欲求が叶わないこと」ではなく、

むしろ「自分の欲求が分からないこと」か「自分の欲求に正直になれないこと」な気がしてきました…

結局は自分の一番叶えたい目的を叶える方向に向かっていってるわけですからね。

なんか哲学の領域に入ってしまいそうなので置いとくとして、なんにせよ病気という不快な状態はなるべく回避するべきであることに違いありません。

「病気で叶えている目的(得ているメリット)があるから気にする必要ないよ!」

とはならないわけで、じゃあ、健全な目的の叶え方とは何かって話を解説していきます!

※ここで再度補足しておきますが、ここでお伝えする内容は、全ての病気を100%目的論で説明できると主張したいのではありません。

僕は医者ではありませんし、自分の経験と周りのアトピー持ちの友人の観察を元に実感していることを考察し、あくまで成人型アトピーの方へ向けての発信であることをご理解下さい。

健全な解決方法

健全な目的の叶え方、それは以下の2ステップになります!

ステップ1.自分の欲求(要求や納得点)を把握する

ステップ2.そのための具体的な案を、主体的にコミュニケーションをとったり利害調整したりして叶える

※急にビジネス書っぽくなってしまいましたが、アトピー治療の話をしています。

要は、自分は何を食べたいのかを理解して、それをちゃんとオーダーする。これだけです。

言葉にするとたったそれだけのことですが、まぁこれが難しいわけですね。

何が難しいかと言うと、人の悩みっておそらく仕事、お金、恋愛、家族や親戚や友人などが多いかと思いますが、それらの悩みって自分だけの問題じゃなくて、全て人間関係、ひいては社会全体の問題なわけです。

自分が要求を通そうとすると、常に誰かに迷惑がかかる、誰かをガッカリさせる、変な目で見られる、といったような“他者の目”が常に気になってしまうからこそ難しいのです。

この他者の目がある中で、どう自分の欲求や要求(納得点)を通していくのか、という戦いな訳ですが、ここに即効性のある方法というのはなくて、

自分自身と対話して、どうしたいのか、どうしてほしいのか、どうすれば納得するのか、を地道に理解していく必要があります。

そうして納得点を算出していって、仕事での待遇を上司に相談したり、学校をやめたり、合わない人からは離れたり、一つ一つ決断していくのです。

自分の気持ちにずっと正直に選択して生きてきた人なら一瞬で分かるかもしれませんが、そんな人はそもそもアトピーになってないと思うので割愛するとして、

そもそも自分の本音を理解するには、ある程度の心理的、時間的余裕と言語化能力が必要なので、ここではそのためのコツと言いますか、余裕を作るために役立つ具体的なアドバイスを僭越ながら3つご紹介します!

目的を見つけやすくなるコツ

コツ①「休むこと、人に頼ることを許可する」

アトピーの人あるあるとして確信しているのですが、真面目な人が多いです。それは素晴らしいことですが、反面、休んだり人に頼ったりすることが苦手とも言えます。

アトピー治療の基本は、自分にとってストレスに感じていることを見つけて、それを減らしていくことです。

ストレスを減らすには、休んだり、時にはうまくサボったり、人に頼ったりするスキルが必要です。

もしあなたが、テキトーに飄々と生きているような人に憧れたり、反対に苛立ったりする場合は、本当は自分がそうしたいのです。

例えば仕事でも、体調が悪ければ休めばいいし、心底イヤになったら辞めればいいのですが、真面目すぎるとそれができないわけです。

自分が欠けることで周りの人にかかる負荷なんかが想定できるが故に、いつまでも我慢し続けてしまったりするのですが、

「アトピーとはストレスが大きいという身体のサイン」だと思い出して、それを考慮に入れて、続ける価値があるのか冷静に天秤にかけしましょう。

会社というのは、急に人が欠けてもそれを埋めるためになんとか回してくれるものです。

休む、サボる、頼るのが苦手というのは、裏を返すと、自己重要性が高くなりすぎているということでもあります。

自分がいなくても何とかなる、人に頼って上手くいく、みたいな自己重要性が下がる体験を積み重ねていくことで、いい意味でのテキトーさが身についてくるはずです。

コツ②「自己否定してしまうのは置かれた環境による影響が大きいことを理解する」

自己否定とは、自分で自分を傷つけることなわけで、アトピーの掻きむしる行為はまさに自己否定を体現しています。

先ほどの真面目問題とも繋がりますが、真面目な人ほど、何か問題が起こった時に「自分が悪い」と思いやすい傾向にあります。

他責にしないという意味で周りからは優しい人に見えますが、これはベクトルの向きが違いっているだけで、自分に対して厳しくあたってしまっているわけです。

そんな人に伝えたいのは、自己否定してしまう時というのは、自分自身に原因があるというより、環境による影響が大きいことを理解しましょう。

例えば、仕事で上手くいかないのであれば、「なんで自分はこんなことも出来ないんだ」と責めるのではなく、「もっと自分に合った職場があるかもしれない」と捉えたり、

習慣化したいことがあっても3日坊主になってしまうのであれば、続けやすい環境設計を仕組みで作る、といった感じです。

普段他責にしまくっている人には「もっと自責しろ!」というアドバイスをするべきですが、自責思考が強い人には逆の考えが必要なので、敢えてこういうアドバイスをしています。

要は、自責に偏りすぎたシーソーを意識的に他責に偏らせて、自責と他責のバランスをいい具合にとるということです。

実際、人は置かれる環境によってポンコツにもなるし優秀にもなるのです。そんな成功者の例はいくらでも出てくるので、そういう例をたくさん知ると気が楽になると思います。

コツ③スマホと距離をおく

以前の記事でお伝えしましたが、スマホというのは便利すぎて命の次に大事なものと言っても過言ではなくなりましたが、だからこそ、スマホによって私たちが受けているデメリットの側面もしっかり理解しておくべきです。

そのデメリットとは、端的に言うなら「大して欲しくない情報を簡単に入れてしまうこと」です。

その結果として、気が散ったり、無駄に比較してしまったり、時間を浪費してしまったりするわけですが、一番の問題は、

「自分の内発的な欲求が見えにくくなる」ことです。

どういうことかと言うと、

スマホ以前であれば、音楽を聴くにしてもテレビを見るにしても、CDを選んでプレーヤーに入れて再生する、好きな番組が流れる時間まで待つといった、

「こちらから合わせにいく」

という手間が必要になってくるため、本当に自分がそれを聴きたいのか、見たいのかという自分の内発的な欲求の大きさを自然と測る習慣が、その不便さゆえに担保されていました。

しかし、スマホは便利すぎるあまり、私たちが「本当にそれを観たいのか、聴きたいのか、知りたいのか」といった内発的な欲求の大きさを測る内省の習慣が著しく失われたのです。

スマホは心理学的に実証された効果のある方法を使って、あの手この手で私たちの注意を引こうとします。脳のドーパミン報酬系をいい具合に刺激してくるので、それを意志の力でコントロールしようというのは無理な話です。

そんなスマホによるデメリットを減らすためには、以前紹介したように、意志の力に一切頼らないでいいように、場面によってスマホの機能を制限する設定にすることです。

【Android限定】最強のスマホ依存対策アプリ1選

情報を入れすぎることによって自分の内発的な欲求が見えにくくなっている状況というのは、イメージで言うと、水中の砂や泥を巻き上げて濁ってしまい、視界が悪くなっている感じです。その濁りが収まるには砂や泥が沈殿して落ち着くのを待つしかありませんが、それには余計なものを入れないことが重要なのです。

スマホがある生活において大事な教養は、足し算より引き算であります。

スマホを使える人にとっては鬼に金棒ですが、スマホに使われる人にとってはただの時間泥棒です。

スマホが出しゃばらないように、きちんと躾ましょう。

今のアトピー標準療法の考え方

さて、内発的な目的を見つけるコツをお伝えところで、現在のアトピー療法療法がどのような考え方に立脚しているかについてもお伝えしておきますが、

これは完全に原因論です。

なぜなら、アトピーが常に”何らかの外的な要因”によって発症しており、その要因を取り除くことで治そうとしている訳ですからね。

ここまで読んでこられた方はお分かりだと思いますが、これの問題は、どうしても「アトピーは誰かが治してくれるもの」という受動的な潜在意識を持ってしまいやすくなることです。

自分の内なる原因=病気になりたい心理=病気によって叶えている目的(メリット)についてはアプローチしづらいですからね。

ここが現代医療の本質的な問題の一つだと思いますが、それを否定したい訳ではありません。

そうなってしまうのは当然と言いますか、仮に「目的論はやっぱり否定できないな」と内心思ってる医者がいたとしても、

医者

あなたがアトピーになったのは、あなたがアトピーになりたかったからです。

なんて口が裂けても言えませんからね。

大事なのは、今の標準療法のアプローチでは、目的論的な視点が見落とされやすいことを理解した上で、標準療法を有効に活用しつつ、根本的な解決のためにこの目的論的なアプローチを自分で取り入れることです。

大切なこと

アドラー心理学を学ぶと、厳しい言い方ではありますが、病気というのは「無意識の自作自演」とも言えることが見えてきます。

しかし、この記事で一番伝えたいことはそっちじゃなくて、「人は自分の欲求を意外と自覚できていない」ということです。

ここに気づくことが、まずはスタートだと思うからです。

それともう一つ大事なのは、目的論が正しくて原因論は間違っていると主張しているように受け取られるかもしれませんが、目的を持つに至る背景には必ず原因がある訳なのでで、どっちも関係し合っているのです。

ただ、今の標準療法では基本的に原因論的なアプローチしかできないため、目的論的なアプローチは自分でやっていくしかありません。

そこに責任を持つこと=自分の見たくない部分を受け入れる勇気がどうしても必要になってくるのです。

これは特に特別な知識が必要という訳じゃなくて、

「自分は本当は何を望んでいるんだろう」「この人にどうしてもらいたいんだろう」みたいな内省と言いますか、自分の本音に気づく、素直になる、正直になる、といった自己理解が必要です。

何度も書いているように、アトピーは「慢性的なストレスを減らす」ことで治っていきます。これは、体感的には「肩の荷が下りる」みたいな感覚のことを言っています。

慢性的なストレスとは、ここでの文脈で言い換えると、「自分の欲求の未消化が続いている状態」です。

自分に正直になるというのは、ある意味わがままになることでもありますが、自分の行動を一番制限しているのは、他人ではなく自分自身であるという自覚を持つことが大切です。

公式アップデート

以上、目的論についてお伝えしてきました。

…。

フロビシャー

大丈夫そ…??

怒らずに読み進んでいただけましたかね?

「確かに、自分が望んでアトピーを発症させている面もあるかもしない」と思っていただければ幸いです。

僕がこの目的論を書く必要があると判断したのには自分自身の体験がありまして、自分のアトピーが治っていった時の感覚って、

毎日アトピーを治すために意識して、いろんなことに気を使って、たくさんの方法を積み重ねた結果、なんとかよくなっていったのではなく、

「そういえば最近かゆくないな…」と、ふとした時に気づく感覚だったからです。

「アトピーであることを忘れていた」というのが、一番正確な体感です。

それくらい、その他のことに夢中になっていた。アトピーで得られるメリット以上に得たいことがハッキリしていたからです。

なので、今回の目的論の内容を総括するならば、

なぜ、あなたはアトピーを治したいんですか?」という問いに、明確に答えられる人ほどアトピーは治りやすいということです。

ここまで読まれた方であれば、「不快だから治したい」では答えになっていないのがお分かりですね?

これまでアトピックラボでは、アトピー治療に対するアプローチの公式は、

アトピー治療 = 食事 × 運動・姿勢 × 思考の癖

であるとお伝えしてました。しかし、ここでアップデートです!

今後は、こちらの公式を覚えてください。

アトピー治療=食事 × 運動・姿勢 × 思考の癖×目的

正直、この「目的」が一番割合としては大きいんじゃないかと思います。

どんなに怠惰な人でも、家が火事になれば外に飛び出ます。その人がアトピーであっても、その時は痒みなど忘れているはずです。それは、命を守るという目的がハッキリするからです。

極端に思えるかもしれませんが、そういうことです。

今までの職場では悶々としていたのに、自分に合った職場に転職したことでストレスが減り働くことが楽しいと思うようになると、アトピーであることで引きこもっていたいという目的より、働いて人の役に立ちたいという目的が勝ってアトピーが治ってしまうかもしれないし、

今まで1人暮らしで暇だったのが、急に親の介護が必要になって、実家に帰って付きっきりで親の面倒を見る生活になると、自分が病気であっては不都合なので、親を助けたいという目的を叶えるために、アトピーが治ってしまうかもしれません。

それくらい目的が身体に与える効果は大きいです。なので、見たくないことではありますが、

「もしかしたら、自分はアトピーであることで叶えている目的があるのではないか」

そして、「アトピーを治してどう生きたいんだろう?」「アトピーを治して何を達成したいんだろう?」という問いを持っていただければと思います!

アトピーになったからこそ、何かを変えたいと気付くきっかけにもなりうるわけです。

逆に、アトピーになってなければ、ずっと自分の要求に対して見ないようにフタをし続けられたかもしれないのです。

ものは捉えようなので、せっかくなら良いように解釈しましょう。

もちろん、あなたの本音を言語化する手助けとなるような記事を書いていきますので、ぜひ希望を持っていただきたいと思います。

以上!

ラボ主

うどんが食べたいならうどん屋に行きましょう。